7の段の掛け算は苦手意識を持つ人がかなり多い段です。なぜでしょうか。それは,一の位において,1つずれる周期を3周行うからです。 7の段の掛け算は7,14,21,28,35,42,49,56,63です。
一の位に注目してください。7の段の掛け算の「一の位」は以下のように進みます。
7→4→1→8→5→2→9→6→3
これを,時計のような,1から10までの数を均等に書かれたダイヤル上で考えてみてください。メモリ3つ分が減って次の数になっています。
7→(7からメモリ3つ減らす)→4→(4からメモリ3つ減らす)→1→(1からメモリ3つ減らす)→8→(8からメモリ3つ減らす)→5→(5からメモリ3つ減らす)→2→(2からメモリ3つ減らす)→9→(9からメモリ3つ減らす)→6→(6からメモリ3つ減らす)→3
ダイヤル一周分を1周期と考えると
1周期目は「7→4→1」,2周期目は「8→5→2」,3周期目は「9→6→3」となります。
この3周期で1~9までのすべての自然数を表しています。
次の周期に行くときは1ずれているので,ずれた周期を意識しないと,つながりがないように感じるのです。また,ほかの段にも周期がありますが,それは分かりやすい周期です。7の段の周期は上記のように意識して分析しないとわかりません。ここに7の段のむずかしさがあるのではないでしょうか。
また,このことは,逆に単なるかけ算から算数・数学への発展的な内容として扱うことができることを示しているとも言えます。
指導者の方々におかれましてはぜひ話題にしていただければと思います。